白いネギ

今は金曜の朝方で、この時刻にブログを書くことはほとんど最近ではない。もちろん夕方に書く方が良いのだが、今日は都内で仕事が色々あって帰宅してからも夕方に諸々の用事があって時間が取れない。そんなことは珍しくもないのでブログで書く必要もないが、人はなぜか状況が変わると言い訳をしたくなる。今日は理事会やら会議やらでいろいろ気を使う。多少緊張感はあるがそれが仕事の代名詞のようなもので、緊張感がなければ気楽かもしれないが、たるんだ糸で結んだようなもので会議の参加者には内容が伝わってこないだろう。理事会も同じで、自分は仕切る役割なので台本に従って司会をするが、その台本には分単位または秒単位のものもあるが、台本作りはスタッフの仕事である。自分にはできないなと、ふと感心する。どの分野にもそれぞれの専門があって見事と言うしかない仕事ぶりをする。今日の理事会もオンラインと対面とのハイブリッドで、しかも会場は事務所とは違い、赤坂の借り会議室である。ビジネスであるから借りた時間分の支払いが要求されるので、オンラインのセッティングなどに多くの時間はかけられない。機材などは事務所から持って行ってテストなどをするのだが、その時間は担当者はかなり緊張する。自分は会場に来られた理事の皆さんへの応対なのであまり緊張はしないが、確かに会議一つであってもスタッフの協力がなければできないのだ。今日の理事会はいつもとは少しプログラムが違っているので、余計に神経を使う。会議は毎回同じ訳ではなく、回や時とともに変わっていく。文脈は離れるが、数日前のテレビ番組をふと思い出した。ものまね大賞のような題名だと思うが、芸達者なタレントが歌のものまね顔つきのものまね仕草のものまねなど、すごいとしか言いようがないような内容だった。一次予選で一人だけ選ばれその人たちで決勝を行うのだが、予選で敗れたタレントたちへのインタビューがあった。誠にタレントというのは厳しい仕事だと思うが、負けた人たちへのインタビューなので答えたくないのが本音だろう。タレントたちは、残念で仕方がないが、確かに自分の芸は今一歩粗かった、選ばれた人に比べるとどこか新鮮味がなかった、やはり努力が足りなかったのだろうと、言葉少なに応えていた。なるほどプロの世界とはこのようなものか、厳しい競争に勝ってこそ初めて仕事になる世界なので、絶えず努力を重ねているが上には上がいるのだ。紙一重のような世界とは比べものにはならないが、今日の理事会の準備をしているスタッフも、それなりの緊張感を持って臨んでいるが、起きてくることはすべて新しいことなので、過去のやり方で通じるとは思っておらず、どんなアクシデントがあっても対応できるようにしている。新聞に、切る葱を飛び出す葱の白さかな(板坂寿一)の句があった。ネギを切ると生まれたばかりのように新鮮な真っ白いネギが飛び出してくる。それが我々の食欲をそそる。ものまね大賞のタレントたちの芸も同じであろう。新しいネタで新鮮でハッとするような芸であれば人はみんなそこに惹きつけられるのだが、これまでと同じであれば、人はすぐにそっぽを向いてしまう。今日の理事会は前回の理事会とは違う。全く新しい出来事なのであって、新鮮な会議ができれば理事の皆さんも来てよかったと満足されるであろうし、そうでなければ次回からは欠席しようと思うだろう。と考えればタレントも我々も、仕事という点では同じ土俵に立って戦っているのかもしれない。

投稿者: 赤堀侃司

赤堀侃司(あかほりかんじ)現在、(一社)ICT CONNECT 21会長、東京工業大学名誉教授、工学博士など。専門は、教育工学。

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