何でもないこと

今は土曜日の夕方ほぼ午後5時なのだが、この季節では夕暮れというより夜が始まっている時刻である。土曜日でも平日と変わらない生活スタイルなのだが、土日はやはり気楽で気持ちに余裕がある。午前中は審査系の仕事に取り組んでいたが、それを中断して、たいした理由もなくパソコンの初期化をした。データファイルだけは残してwindows 10のOSのインストールをし、諸々のアプリのインストールをしたが、これにかなり時間がとられた。今日は土曜日なのでと思って、昨日の夕方に初期化のボタンを押した。その時はちょっと後悔したのだが、まあなんとかなると思って実行したが、ほぼ予定どうりなので問題は無い。しかし思えば人間のやることはどうも無駄が多いようだ。OSもアプリもすべてインストールし直して何の意味があるのだと自問自答したのだが、やはりこの方がすっきりすると思ったからである。他人に話すような理由もないのだが、相性というか一から出直した方が仕事がやりやすいと感じたからに過ぎない。人間は無駄と分かっていても、やってみないとスッキリしないことがある。その理由を言っても多分他人には理解してもらえそうもないのだが、まあそんな平凡なことをして午前中が過ぎた。午後はスポーツジムに行って汗をかきプールで汗を流した。今日の天気は秋の季語である小春日和というように暖かく昼間は20度近くあったようで、気持ちまで暖かくなる。スポーツジム行く途中に旧市役所の広場があって、大勢の赤い服姿の人たちが見えた。それはサンタクロースの姿だった。サンタの格好をした若者や子どもたちが百名以上いたと思うが、壮観な眺めであった。今日は何の日なのだと思ったが、サンタのイベントのようだ。キッチンカーや屋台も出てるし音楽も奏でているし、サンタの祭りなのだろう。そういえば去年もこんな光景を見た。老いも若きも暖かい日差しに照らされて、何ということもなく平和な時間を過ごしている。スポーツジムの帰りに通った時もまだイベントは続いているようで、くじ引きか何かで商品が当たるので盛り上がっていた。威勢の良い若い衆の祭りも楽しいが、誰かれなく赤い服を着たサンタの格好をしてぶらぶらしている祭りもどきも悪くはない。秋祭りの法被姿が赤いサンタ服になったと思えば、初冬の祭りと言って良いだろう。商店街の企画なのだろうか、あまり宣伝もしないのに、商店街の大通りは、ぶらぶらしている人でいっぱいだった。暖かい土曜日の昼下がり、子供連れでサンタ祭りに出かけるのは、若いパパやママにとっては、極上の幸せのひとときである。そんな光景を見ている自分自身も心が癒されて、なんと日本は平和なんだろうと感謝した。文脈は離れるが、新聞に、ゆく秋や裾野ひろがる目玉焼き(新井温子)の句があった。フライパンに卵を割って乗せたら、白身の裾が広がったという意味のようだが、何気ないその光景が朝食なのか昼食なのかわからないが、美味しそうな香りがして幸せな気分になる。作者の意図を推測すれば、その平和な一時が嬉しかったので、句にして残しておきたかったのではないか。自分は午前中パソコンの初期化で何でもないことなのだが何か気持ちがスッキリし、サンタ祭りに出くわして大した意味はないが何か癒された気持ちになった。人は何でもないことで、気持ちが落ち着くようだ。つまりその何でもないことが大切なのだ。

投稿者: 赤堀侃司

赤堀侃司(あかほりかんじ)現在、(一社)ICT CONNECT 21会長、東京工業大学名誉教授、工学博士など。専門は、教育工学。

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