ブルームとマズロー

今は土曜日の夕方、外は漆喰の闇である。11月も10日を過ぎると冬至に近くなるせいか昼間の時間が短い。あっという間に暗くなって一日の時間が短くなったような気がする。しかも今日は急に寒くなって、外に出るにはジャンバーがなければ無理であった。テレビ報道では、木枯らし第一号が吹いたようで昨日との温度差が10度以上とも言われているので、体調がおかしくなるであろう。こんな日は暖かい部屋にこもってと思うのが人情だが、実際はそれは多分楽しくないだろう。面白いテレビ番組などほとんどない。もちろんそれは年齢にも依存するし人の特性にもよるのだろうが、自分は夕方7時以降でないとテレビは見ないし、それも9時までである。ただし日曜の小さな旅だけは例外だが、お笑い系の番組は無理に体をくすぐられて笑っているような気がして、つまり人工的に面白がらされているに過ぎない。ある文献を読んでいたら、ブルームの教育目標よりもマズローの五段階欲求の方が重要だと書いていた。実は自分もその通りだと思っている。ブルームの教育目標はグローバルスタンダードつまり世界標準であるが、自分はまだしっくりきていない。むしろマズローの自己実現の方が人間味らしい。学校を訪問して子供たちを見ていると、その通りだなあと、納得することが多い。特に1人1台端末のような道具を手にした場合、子供たちは生き生きとそして何の疑問もなく嬉々として自分の作品を作っている。自分がホストをしている月2回のオンラインセミナーがあるが、前回の先生は、学校教育では課題ではなく作品にすべきだと主張されていたが、まさに同感した。宿題とか課題とかと言うと先生から与えられたもの、やらなければならないもの、という義務感のニュアンスがあるが、作品といえば作ることの喜び楽しさそして人に見せたくなる自己効力感など、課題と作品では天と地ほどの差がある。自分などは仕事と趣味との垣根が低いようで、仕事は課題で趣味は作品だと対応づけることも可能だが、そうすると仕事がブルームで趣味がマズローだと言えなくもないが、自分はその差が小さい。あまり推測でブログを書くとブルームに申し訳ないので止めておく。今日の午前中は諸々の事情があって学校訪問をした。これも仕事なのか趣味なのか研究なのか境目がよく分からないが、このブログを書く前にその整理をしていたが、自分には楽しい時間であった。なかなかスポーツジムに行く暇がないので今日の午後出かけたら、やはり行って良かった。外気温が低いせいかプールが暖かく感じて、体全体が温まったような気がした。自分はありがたいことに、土日も何やかにやで、ほとんど退屈することはない。たぶん世間ではこうはいかないのかもしれない。新聞に、店先の「バイト求む」の片隅にシニアの文字をまずは探しぬ(今西佳子)の句があった。この読者はいろいろな事情でバイトを探しておられるのだろう。今のご時世ではなかなか良いバイトがないと嘆いておられるかもしれないが、その気持ちさえあれば必ず見つかるだろう。バイトであろうと本職であろうと、多分楽しいだろう。経済的な面で探しておられるのかもしれないが、人間には別の面があって、シニアであろうと若かろうと面白さを見つけると、仕事が趣味の世界になる。経済的な面をブルームとすれば面白さの面はマズローだろう。こんな研究的なことを書く予定ではなかったが、昨日は都心に出かける用事があって、そこで自分がある研究者と議論したので、脳のどこかにまだ残っているからだろう。現実には仕事と趣味や研究にはもちろん差はあるのだが、どの程度感じるかに依存するのだろう。ブルームもマズローも会えば、意気投合するかもしれない。

投稿者: 赤堀侃司

赤堀侃司(あかほりかんじ)現在、(一社)ICT CONNECT 21名誉会長、東京工業大学名誉教授、工学博士など。専門は、教育工学。

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