老後の生活

昨日は日曜日、しかも久しぶりに良く晴れた天気で、頬を撫でる風が嬉しい。こんな日は、ガーデニング、などという洒落た言葉は似合わないが、小さな庭の雑草を取り、爽やかな一時を過ごして、土日なのでスポーツジムに行った。プールでは、2レーンをつないで、水泳レッスンをやっていて、女性のインストラクターが身振り手振りで、手本を見せて、受講生達を指導している。ちょうど小学校のプール指導のような光景で、受講生も楽しそうで、水に浸かって、苦い顔をする人はいない。受講生は年配も中年も、男女もいるが、楽しそうな表情は女性のほうで、中には隣同士で話をしている、マスクがないから、黙話と分かっていても、声を掛けたくなるのだろう。自分は、隣のレーンで泳ぎ、往復するとプールの端で、窓越しに外の景色を見るのが好きで、昨日は青空が良く見えて、心が癒される。そう言えば、筋トレやランニングマシーンの階でも、休憩中によく話しているのは、女性の方である。男は、自分も含めて、ほとんどが黙って運動している。話し掛けられるのも煩わしいし、自分のメニューに従ってやっているので、好きにさせてくれ、と思っている。ランニングマシーンの時は、仕事や研究のことを考えたり、プールの屋外ジャグジーでは、椅子に座って空を眺めるのが好きで、いろいろなことを子供のように空想する。帰宅する途中で、ああ、今日も居るな、と思うのは、石台に座って、行き交う人を眺めるお爺さんに会ったからである。晴れた日は、よく座っていて、所在なく時を過ごすようで、どことなく侘しさを感じさせる。独り者なのだろうか、洗濯もしていないような服装で、哀れとしか言いようがない。男は、スポーツジムでも一人で運動するが、老後になって、話し相手が居なくなったら、こんな姿になるのだろうか、新聞に投稿された句、独りとは声なき暮し寒の月(黛衛和)、を思い出した。老いて楽しむ人生もあれば、孤独になる人生もある。老後になって楽しむのは、女性の方が多く、男性は孤独になりやすい傾向があるようで、著名な女性作家や女性大学教授が書いた、おひとり様のすすめ、などの本がベストセラーになっている。自分もいつ独りで寂しくなるか分からない、今から家内孝行を心掛けておこう。

投稿者: 赤堀侃司

赤堀侃司(あかほりかんじ)現在、(一社)ICT CONNECT 21会長、東京工業大学名誉教授、工学博士など。専門は、教育工学。

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