歳か環境か

今は火曜日の夕方、まだ外は暑くテレビ報道では熱射病の恐れがあるので急な用がない限りは、外出しないようになどの注意を促している。それに逆らうように、自分はここ数日は外に出っぱなしで、家に帰ってすぐに水分補給をする。冷水がことのほか美味しく、ガリガリ君などのアイスキャンデー、さらにはビタミンCなどの飲料水も好きで、先ほども立て続けに飲んだ。家内が入院してから数日が経っているが、詳細は書かないが、自分は時間に追われている。実は4月以来、四輪車ではなく単車のバイクに乗って用事を済ましている。その方が時間のロスがなく駐車場も気にしなくても良いからである。市内の用事はほとんどバイクで行けるので、なんとか無事にすべてをこなせている。病院も駅前なので、駐車場はいつも満席で、ほとんどの人は電車で来る。自分の場合はいろいろな用事が重なるので、電車で行くと間に合わない。あれやこれやで単車のおかげで事は収まっている。自分も健康のことがあるので、なるべく運動するようにしているが、今週はいつものスポーツジムが休館なので、隣の市の市民スポーツセンターのプールに行った。夏休みだから子供たちでいっぱいで、幼稚園生から小学生中学生に至るまで、もちろん大人も多く来ていたが、いつものスポーツジムでは子供はいないので、少し違和感があったが、なるほど今は夏なのかとふと思った。今日も昨日も隣の市に出かけたのだが、セミがゆく夏を惜しむかのように声を限りに鳴いていて、たぶん今頃テレビでは甲子園の高校野球を報道しているだろうと想像した。色々なことがあっても、夏が来て、すぐにお盆も過ぎて、8月も後半になり、やがて9月を迎える。あっという間に日にちが経ってしまう。そういえば昨日市民プールから単車で自宅への帰り道、猛烈な雷雨に出会った。ものすごい音量と稲光がすぐ側に起きたような天候だった。たまには雨でも降って欲しいとは思ったが、こんな目に遭うとは思わなかった。単車に持ち込んでいた雨合羽が役立った。昔ジョギングをよくしていた頃、雨でも走らないと気が済まなくて買ったもので素材が良かったのか、あの豪雨の中でもしっかりと体を守ってくれた。4輪車に比べて、バイクは雨のときは役立たずだと思っていたが、それは自分の偏見だった。全く問題なく無事に帰宅した。4輪車よりもはるかに機動性が高く移動も楽だったので、助かったと感謝した。家内が入院してから洗濯、掃除、料理、郵便物などの処理と近所付き合いと病院通いで、こんなに忙しいとは思わなかった。それに加えて、これまでと同じ仕事をして、スポーツジムにも行っているので、なるべく早く処理したいと思っている。掃除はルンバがやってくれ、洗濯も洗濯機がほぼ自動的にやってくれるが、料理だけは、スーパーで買ってそのまま電子レンジで温めるだけという場合もあるが、自分はこの際にネットでレシピを調べて、自分なりの手作り料理を覚えたいと思っている。何種類かチャレンジしているが、手順は書いてあるのだが、あまり意味が書いてないようで、別に自分は料理を研究しようとするわけではないので構わないのだが、と思うことはある。例えばレモン汁大匙一杯などと書いてあるが、レモン汁が無い場合どうするのか、酸っぱければ他でもよいのか、なぜレモン汁が必要なのか、それははじめに味をつけるのか後に味をつけるのか、専門家は意味がわかっているので、他の物でも代用できるのかできないのかを、すぐに回答するだろう。素人は意味がわからなくて手順だけ従おうとするので、どうもピンとこないのである。今まで料理をしたことのない素人が、何を偉そうにと言われそうなので止めておくが、何しろ料理に時間を取られている。まあ料理を覚えるのも勉強の1つなのでそれも良かろう。年をとるとそれすらも面倒になるらしい。新聞に、欲しき物食(しょく)したきもの特になくデパートにいて老いを意識す(和泉純子)の句があった。自分にもいずれそのような時が来るだろう。ただどうだろうか、自分は今家内が入院して、家内の分の何割かが降りかかってきた。ただ今はそれがなんとなく自分を励ましてくれて、どこか楽しささえ感じる時がある。家内宛ての郵便物もかなりある、近所からの連絡事もそれなりにあり、自分はその意味では自宅と病院とのメッセンジャーの役割を果たしている。手術をして入院すること自身は、仕方のないことであり諦めに似た気持ちだったが、今は違う。手術をして元気になるのだからこれほど有難いことはないのだ。その間に自分も料理のレシピを覚えたり活動の幅が増えてきて、仮に家内が倒れたとしても、自分で料理ぐらいはできるようになっておきたいと思うようになった。そんなことは以前には、全く考えもしなかったことである。プールからの帰り道、猛烈な雷雨に遭遇してバイクの見方が全く変わった。すごいと見直した。同じように家内もこんなに付き合いが広いのか、などと驚くと同時に、まさか自分が料理を作るなど自立するとは思ってもみなかった。人は歳ではなく、環境で変わるのではないか。

投稿者: 赤堀侃司

赤堀侃司(あかほりかんじ)現在、(一社)ICT CONNECT 21会長、東京工業大学名誉教授、工学博士など。専門は、教育工学。

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