出張

今は金曜日の夕方、本当なら明日土曜日に書くブログを、一日前倒しにした。もちろん理由があるからだが、明日は大阪に出張があって、夕方はホテルの中なので書きにくい。もちろんパソコンは持っていくのだが、夕食を食べた後では億劫になる。新幹線の中でもよいが、あまりたいした出来事もないので、今の方が書きやすい。出張といっても明後日のイベントに出席するだけなので、気楽な1泊2日の旅なのである。毎年夏は神戸に出張しているが、何しろ関西は串カツがおいしいので、明日は大阪なのでホテルの近くの串カツ屋を探して、ビールと串カツで気楽な夕食を楽しみにしている。まるで寅さんのような1日になるだろう。日曜日はイベントだから多少の出番はあるが、明日は、新幹線に乗ることと、夕食をいただくことと、ホテルに泊まるだけの、のんびりを絵に描いたような時間を過ごすだけである。新幹線の中では、1行も読んでいない分厚い専門書を持っていくので、なんとか取り組んでみたいと思うが、あくびばかりで頭に入らなかったらどうしようと思うが、明日ぐらいしかこの本を読むチャンスはないだろう。半分楽しみで半分不安もあるが、どうしても読んでおきたい1冊なのだ。明後日のイベントは大したことはなく、これは仕事なのか趣味なのか、主催者には申し訳ないような気持ちである。人のお世話になり、人が作ってくれた籠に乗り、人が計画してくれた流れに沿って動くようなもので、本当に感謝しかない。科学研究費というありがたい制度があって、自分もいただいているのだが、本年度中に使い切らなければならないので、残金をどうしようかと考えていた。まことに贅沢なことで、国民の税金を使って研究できるということは、有益な使い方でないとバチが当たるだろう。先ほどまでオンラインで研究打ち合わせをしていて、どうしたらいいだろうかと相談したら、良い知恵を貸してくれた。自分だけで考えることは実は大したことはなく、ほとんどが他人の力によって、研究をしたり仕事ができたりするのである。数日前のオンラインでのセミナーがあって、自分はホスト役でゲストと対談した。優れた研究発表だったので、自分も嬉しくなって質疑応答に時間を忘れた。そのアイディアはどこから来たのかと聞くと、結局は他人の行動を観察することで、気づくことがほとんどであった。つまり他から教えてもらったのである。今日も午前中は学校訪問があって授業参観をした。自分は市の教育センターのアドバイザーなので、コメントを書いて送ったのだが、考えてみるとほとんどは、先生と子供たちの観察によって得られた気づきなのである。つまり先生と子供から教わっていることがすべてである。明日は分厚い専門書を読む予定だが、これもすべて他人の知恵が詰まった宝なのであり、もし読んであくびが出るようであれば、自分の浅学を嘆くしかない。そして自分もまた、そこから得られた気づきを他人にお返しするのである。文脈は遠く離れるが新聞に、温かいうどんへ落とす寒卵(久保栞)の句があった。この句を読むと、温かいうどんと冷たい卵が混じり合って、よりいっそう美味しくなり、丼を手にした人の笑顔が浮かんでくる。自分もこの句の寒卵のような仕事をしたい。主役は温かいうどんであるが、寒卵でおいしさが深くなっていくような脇役が自分には合っている。明後日のイベントでは、自分はその脇役を演じてみたい、主役が喜ぶ顔を見たい。

投稿者: 赤堀侃司

赤堀侃司(あかほりかんじ)現在、(一社)ICT CONNECT 21会長、東京工業大学名誉教授、工学博士など。専門は、教育工学。

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