うまくいかない

今は火曜日のお昼前、変則的な時間に書くのは、当然ながら午後にブログを書く時間が取れないからである。教育関係者は、夏休みの前半と後半が何かと忙しい。お盆の時期はどこでも長期休暇や休みの時なので暇になるが、その他は教員研修やいろんなイベントで忙しくなる。先週も昨日も都内に出かけていたが、猛暑のせいか帰宅するとぐったりと疲れる。今日から2泊3日の出張があって、その前に片付けておかなければならないことがあるので、どこか気が休まらない。そんな時に限って、いろいろな思いどうりにならないことが生じてくる。いくつかの期限付きの仕事やいろんなな気がかりなことがあって、それを片づけながら順調に進んでいるなと思っていると、突然に横から別の厄介なことが起きてくる。私的なことなのでブログでは書かないが、この頃運のツキが落ちたのかと嘆く。しかし考えてみれば当然のことで、誰でも全て思いどうりにいかないことは分かっている。現実の世界は、漫画やドラマの世界ではないのだ。土日だけはスポーツジムに行って、いっぱい汗をかき、プールで泳ぎジャグジーに入っているので、それは非日常の世界で自分を癒している。そのスポーツジムにも、スポーツ商品を売りにきている業者の人がいて、ジムに来る人たちを待っている。その時自分はふと思った、自分はこれからプールに入って汗を流して快適な時間を過ごすのだが、この人は自分たちを見てどのように思うのだろうか、その大きなギャップに自分は少し心が痛んだ。誰一人としてその商品に興味を持つ人がいないので、業者の人はぽつねんと周りを見渡し、不安そうにジムの中の様子を見ていた。お客様は神様だと誰かが言ったが、それは異常である。お客様も業者も平等な関係が正常なのだが、この世はそうもいかないようで、業者の人はこれがビジネスなので己を捨てて頑張っているのだ。自分がプールで泳ぎ終わって着替えをして帰宅するときにロビーの前に行ったら、その業者の人が1人のおばあさんと話をしていた。業者の人は、水を得た魚のように生き生きとした表情で、商品の説明をしていた。仕事ができれば、それは楽しさに変わるのか。良かった、買ってくれるかどうか分からないにしても、お客さんと話ができるだけで良かった。カスハラという言葉を新聞で見かけるが、やるせない腹立たしい言葉である。お客様は決して神様ではない、仕事のために精一杯の笑顔を作って対応してくれているのだ。しかし自分も残念ながら、その商品を買うつもりはない。なるほどこの世の中は思いどうりにならず、矛盾が多いようだ。文脈は離れるが新聞に、生きるのに疲れたけれど蝉時雨(二宮正博)の句があった。この作者に何があったのだろうか、あれもうまくいかない、これもだめ、もう疲れて疲れてどうしようかと思った時に、蝉の鳴き声を聞くと一夏を全力でかけていく蝉に生きる力をもらったのだろうか、いやもらいたいと願ったのだろうか。スポーツジムの業者の人も、立ち寄ってくれたおばあさんから元気をもらったのだろうか。自分などのうまくいかないことなど、小さな小さなたわごとに過ぎない。

投稿者: 赤堀侃司

赤堀侃司(あかほりかんじ)現在、(一社)ICT CONNECT 21会長、東京工業大学名誉教授、工学博士など。専門は、教育工学。

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