今は、金曜日の夕方にさしかかる頃、新幹線の中である。まあ、と思われるかもしれないが、ネットにつながっていないので、パソコンに保存して、ホテルに着いたら、ブログのサイトにアップしようと思っている。今日の午後は、都内で理事会があって、対面とオンラインのハイブリッドで、自分は代表理事なので、会場で理事会を仕切った。赤坂の会議室を借りた理事会だが、オンラインを含めて21名の参加なので、理事会は十分に成立するが、対面だけだとこうはいかない。オンラインは、すっかり自分たちの仕事に慣れてしまい、対面は特別な形式だと、意識が変わった。良い理事会だった、誰もが発言し、誰もが教育を語り、誰もが日本の将来に期待し、あるべき姿を描いた、だから、どこか未来志向があって、明るさに満ちていた。会員数も増えてきて、順風満帆と呼ぶなら、その通りと言えるだろう。司会をしながら、自分のようなものが、それほどの力量はないのに、と思いながら、会場にいる自分を、もう一人の自分が眺めて、まずまずの仕切り方だな、と自己採点していた。後片付けをするスタッフにお礼を言って、外に出ると、大雨と雷で、数時間前の猛暑はどうなったのか、と天を恨んだ。えいままよ、と小さな折り畳み傘で雨をよけて、実は会場のビルのすぐ横にある地下鉄入口に駆け込んだ。それでも、土砂降りの雨の攻撃に、2泊3日の出張に持ってきたバゲージがびしょ濡れになった。赤坂から東京駅は近い、後は濡れずに新幹線に乗れる。京都で学会があって、参加するためだが、もう若い頃のような気負いはなく、淡々と参加して、最新の研究を聞いて、脳の新鮮度を高めたいからである。発表すると他の発表が聞けず、時間に縛られるので、もう長い期間、参加だけの学会との付き合いになった。まだ科研費があること、名誉会員だと参加費が無料になることなどで、まるで寅さんのような気楽さで、参加できる。ブログは、自宅と違って、夕食が外なのでホテルでは書きにくい、それなら、新幹線の中にしようと、計画していた。外の景色は、先ほどまで窓に大雨の軌跡が斜めに描いていたが、すっかり消えて、山と空と家々の光景が、人々の平穏な暮らしを偲ばせる。ここまで書いて、しまった、新聞の句がない、ネットに繋げないと読めないのだ、仕方がない、スマホのテザリングの力を借りて、アクセスしよう、部屋の灯を一つ残して秋の夜(藤川美智子)の句を引いた。解説は要らないだろう。文脈は弱いが、今の自分の気持ちには合っている。地方なのだろうか、部屋数が多い、外が薄暗くなって、そろそろ部屋の灯りを切らなければと、たぶん日課なのだろう、そして1つだけ、居間なのだろうか、夕食をする部屋だけ明るくして、秋の夜を迎える、静かな秋の童謡がぴったりする。今の外の景色は、先ほどの大雨が嘘のように、白い雲をたなびかせた青空と、遠い向こうのほのかに白い山々と、田んぼか畑か、緑の一面と、点在する家々が、静かな風景を描いている。急ぐ旅でもない、今日は宿に泊まるだけ、理事会もうまくいった、本当に寅さんのような気分になった。まあ、たまにはいいか。
