おでん

今は、土曜日の夕方、と言っても、外はもう真っ暗で、夜である。いろいろあって、今の時刻は午後6時だが、11月にもなれば、日の陰るのが早い。今日も、朝から午後3時半までオンラインであった。特に、午後のオンラインの研究会は長丁場だったが、全く飽きず、聞き惚れていたが、研究とか仕事になると、そのようなもので、物理的な時間と、心理的な時間が違うことは、誰でも経験していることである。仕事というか共同研究なので、気が抜けない、真剣に画面に見入り、気付いたことをメモ帳に書き込んでいったのは、後では時間がかかる、どんな仕事も、その時その場で処理するのが、得策だという効率性を重視するからである。終わって、メモ帳、もちろん、アプリのメモ帳だが、書き込んだ文章で、特に重要な箇所を、強調文字にして、保存した。これは、プロジェクト研究なので、後日に原稿にしなければならないからである。明日は、また大一番で、毎年行っている、秋の実験、である。詳細は省くが、自分にとって研究者の証のようなもので、実験をさせてもらっている感覚なのだが、歳はとっても、どこか、毛糸の端くれにでもすがっていたい気持ちがある。まあ、頭と身体に沁みついた分身のようなもので、相棒であり、長い友人でもある。今日は、もう一度、明日の資料の確認をしたが、まあ、土日もいろいろな仕事で、時間が潰れる、それは、老いた身には、有難いことで、ワクワクとまではいかないが、真剣勝負のような気負いがある。だた、健康だけは気を付けているので、なるべく運動を心掛けて、今日もオンライン研究会が終わってすぐに、ジョギングをした。今日の外気は低く、道端の木や葉っぱが黄色か赤に染まって、もう冬景色のような雰囲気になっている。小一時間のジョギングをして帰宅する頃は、身体じゅうが汗びっしょりになる、そして、居間のテーブルにあるミカンを頬張ると、その甘さが、じわっと体に染みわたって、ビタミンCが病原菌を退治してくれる、という実感がする。今日の夕食は、おでんだと家内が言う。そうか、この季節、初めてのおでんか、晩秋か冬に合う料理だ、と思う。お酒の強い人なら、熱燗の日本酒だろうが、自分には、ワインかビールかウイスキーだろう、もう、ここまで書くと、喉が湿ってくる。何しろ、おでんは、大方の日本人の好みだろう、若い人の嗜好は知らないが、自分のような高齢者には、誰もが好きな大衆料理で、寒い夜、おでんをつつきながらの居酒屋か、屋台がよく似合う。たぶん、江戸の昔から、そんな風に、庶民は、些細な楽しみを持っていたのだろう。新聞に、相客は小三治に似て走り蕎麦(谷村康志)の句があった。走り蕎麦は、初秋の頃、まだ熟していない青みがかったソバを刈り取って、打った蕎麦だそうで、新蕎麦とも呼ばれ、秋の季語らしい。どこか、江戸の蕎麦屋の風情があって、蕎麦を食べる客人も、どことなく粋な感じがするのは、褒めすぎだろうか。実は、蕎麦も大好きで、ざるそばがいい、特に、新潟のへぎ蕎麦、中でも小嶋屋のへぎそばは絶品、これ以上は止めておこう。もう夕食は、古い日本人になりきって、江戸の昔に戻ったような気分で、いただこう。

投稿者: 赤堀侃司

赤堀侃司(あかほりかんじ)現在、(一社)ICT CONNECT 21会長、東京工業大学名誉教授、工学博士など。専門は、教育工学。

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