審査と草刈り

昨日は忙しかった、というか、頭も身体もすべて動かしたので、老いの身では十分だった、という感触が残っている。午前中は、台湾からの留学生、日本の大学院に入学する学部か修士の学生の研究論文の審査に、すべて時間を充てた。この論文が難しく、専門以外の内容がほとんどなので、うんうん、呻吟しながら、審査を続けていたので、頭の芯が痛くなりそうな感じがしたが、これは本当に凄い頭のトレーニングだと思って、終わった頃には、感謝した。こんなチャンスがなければ、専門外のことを勉強するはずがないからである。9月にオンラインの審査があるが、自分の分担は、かなりの数が英語審査だが、日常英語ではないので、専門の中身がわからないと、質問すらできない。この審査委員は、自分以外は現役の大学教員だが、2人体制で、それぞれの専門分野毎に、台湾にいる学生とオンライン審査をするが、少し緊張する。自分は、手帳に予定を入れて、論文を読む時間を確保しているが、昨日でおよその論文は読んだので、内心ほっとした。専門外のこと、自分の得意でないこと、それは研究でも仕事でも、実はチャンスかもしれない、と思うようになった。自分だけに閉じこもらない、幅を広くする、他人の意見も理解する、新しい見方を知る、など、別の世界が開けるからである。お昼の後、太陽が照り付ける庭を見ると、雑草が、性懲りもなく無造作に伸びている、ふと草刈りをしなければ、と思い、帽子をかぶり、汗だくだくになって、身体を動かした。終わってシャワーを浴びたが、夕方もジョギングをしたので、老いの身には、十分な運動量だった、文字通り、よく学びよく動き、という1日だった。専門外だから、暑いから、止めておこうでは、面白くない。面白さは、避けるのではなく、中に入ることで、得られるのかもしれない。夕食の、冷えたビールの美味しさは、もう言葉にならない、この世の極楽、そうか、これは、ご褒美なのか。

投稿者: 赤堀侃司

赤堀侃司(あかほりかんじ)現在、(一社)ICT CONNECT 21会長、東京工業大学名誉教授、工学博士など。専門は、教育工学。

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