昨日は、都内の病院に検査を受けに行った。日本医科大学付属病院であるが、市内のかかり付け医者から、定期健康診断の血液検査の結果で、気になるデータが続いているので、紹介するからと言われて、検査を受けることになった。年齢が高くなれば、体のあちこちに故障が出てくるのは、家の壁や障子や、家電や車や、身につけている服や眼鏡までも、ほころんでくるのと同じである。物理で言えば、エントロピーが増大するので、それを止めることはできない、それが自然の法則だが、人は対応するすべを知っているので、病院に行って処置をする。附属病院は、始めの検診で行ったので2度目だが、自分の机がある新宿三井ビルと変わらない、というより、大勢の患者さんで、より密である。これを盛況と言うのも何か妙だが、どこか華やいだ雰囲気すらある。看護婦さんやお医者さんも、さっそうとして、なるほど現代社会の先端を走っている、という感じがして、優秀な高校生が医学部を目指すのは、収入が良い、景気に左右されない、だけではないことが分かった。病院内に、レストランやコーヒ店、ファミレスがあって、食事や喫茶にも困らない。近くに根津神社があって、検査の合間の待ち時間に行って参拝すると、小さな遠足気分になった。検査は大したことはなく、スキャナーで写真を撮るので、じっとしているのだが、この時間が長い、ので、出版原稿のことを考えていたら、いくつか思いつくことがあって、どこか得をした気分になった。なにやら放射性同位元素などの文字があるので、患者にはどこか脅威を感じるが、自分は物理の出身で、X線解析で修士論文を書いた経験があって、なつかしさ、さえ覚えた。医療装置は物理、薬は化学、と考えれば、科学やデータの塊のような世界である。確かに、医者になるには、科学的な理解力がないと難しいようだ。こんなことを考えていたら、予定より早く検査が終わって、自宅に戻ってすぐに西日を浴びながらジョギングをした。自宅で仕事をするも良し、病院で検査を受けるのも良し、時の流れに対応しながら、生きていきたい。
