出版

店頭に出るのは9月1日と聞いているが、著書を出版した。オンライン学習・授業のデザインと実践、と題する新刊であるが、出版することは、自分の子供を世に送り出す心境に似て、玄関先で子供を見送る光景に似ている。花屋さんが丹精込めて育てた花を店頭に並べる時、役者さんが晴れ舞台で演劇を披露する時、たぶん同じであろう。自分では精一杯書いたつもりでも、他人から見れば、いろいろな欠点が目に付くだろう。その評価は、ただ待つしかない。この新刊は、これまでと少し違い、出版社からテーマが提示されて執筆を依頼された。執筆期間も短く、材料も不十分で自信が無かったので、初めは乗り気ではなかったが、いろいろな条件が揃って、出版にこぎつけた。それまでは、楽しさと生み出す苦しさで、夢中に過ごす。しかし不思議なもので、上梓した後は、憑き物が落ちたように、頭から去ってしまう。この出版社で1年に1冊の出版、と決めて8冊目になった。しかし、出版業界も不況で、ほとんどの人はネットで済ませることが多く、地域にある昔からの小さな書店はほとんどが姿を消してしまった。寂しい限りであるが、子供が立ち読みする姿もどこか郷愁をさそうようになったので、過去のことなのだろうか。それでも、本は知的な商品である。特に、多少学術的な内容の本は、手に取って読んでいただくだけで、嬉しい。それは、花屋さんも役者さんも同じだろう。

投稿者: 赤堀侃司

赤堀侃司(あかほりかんじ)現在、(一社)ICT CONNECT 21会長、東京工業大学名誉教授、工学博士など。専門は、教育工学。

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