SSHに思う

今は、神戸のホテルにいる。朝7時台の時刻だが、時間がないので、この時間を使って、ブログを書く。SSH、スーパーサイエンスハイスクールの生徒研究発表会で、仕事をする予定だが、朝8時半までに、国際コンベンションセンターの会場に行くので、少し短いブログでお許しいただこう。このホテルは、以前にも泊ったことがあるが、今は23階の部屋で、海側なので、神戸港が良く見える、抜群の景色で、昨日の夜景も見事だった。他の用事もあって、5日に帰宅するが、4日までは、審査である。知の甲子園とも呼ばれる、この成果発表会は、そのレベルは、極めて高く、専門学会レベルで、ポスターで、じっくりと高校生に説明を聞かないと、理解できない。自分が分かるのは、概要とか、視点とか、独創性、などの上からの評価が多く、細部にわたる分析などは分からない、というか、興味が湧かない、のは、たぶん、年齢といよりも、研究は本質を極めることだからだろう。若い高校生との、研究についての勝負のようなものだが、質疑が終われば、爽やかな風が吹いて、心がきれいに洗われるような気がする。高校生たちは、既に、昨日からポスターの準備をして、いざ、出陣と、身構えているだろう。昨日から、自分は参加しなかったが、予備審査は始まっている。静かな、そして、頭を全開にする、暑い甲子園なのである。近隣の高校生もやってきて、4000名以上の、科学を愛する若い人たちと教員が一堂に会して、喧々諤々と、知的な議論が始まる。こんな経験ができるだけでも、有難い。飛行機の中で、久し振りに小説を読んだ、そこには、SSHのような世界ではなく、世間の厳しさや、仕事の悩みや、人間関係で苦しみながら、なんとか乗り越えようとしている姿で、そのギャップに、我が身を振り返った。高校生もそれなりの悩みやもがきや不安もあるだろう、が、今を精一杯生きているようだ。魂をひとつに蟻の列つづく(神宮斉之)の句が、新聞にあった。蟻は何も言わないで、せっせと餌を運んでいるが、何か考えることがあるのだろうか、SSHの高校生も、参加する近隣の高校生も、何か思う所があるだろう、今日は、自分も、若い人たちと、心を一つにして、議論しよう、皆、頑張っているのだ。

投稿者: 赤堀侃司

赤堀侃司(あかほりかんじ)現在、(一社)ICT CONNECT 21会長、東京工業大学名誉教授、工学博士など。専門は、教育工学。

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