昨日は日曜日、きれいな青空で、空気が澄んで、風も心地よく、誰もが外に出たくなるのだろうか、久し振りにお昼に回転寿司屋さんに行ったら、ほぼ満席状態だった。老いも若きも幼子も、寿司を食べる時は、マスクを外すから、笑顔がよく見える。夕方シャワーを浴びて夕食までの短い時間だが、小説などを読んでいるが、昨日、正確には、一昨日、辻政信の真実、というノンフィクションを読み終えた。陸軍参謀として、名を馳せ、戦後は国会議員となり、最後は謎の失踪、東南アジアに旅立って行方知れずとなった人物であるが、本の帯に、神か悪魔か、と書かれているから、その生き様は予想できるだろう。新聞の書評に載っていたので買ったのだが、著者が新聞記者だけに、克明な調査を元に、辻政信の一生を綴っていたが、読みごたえがあった。鋼鉄のような精神力と頑健な身体を持って、東南アジアでの戦線を牛耳り、終戦直前に潜行して、戦犯にならずに、潜行3千里、のベストセラーを出版して勇名を馳せた。その後、衆議院と参議院の議員となり、先に述べたように、60歳前にして失踪し、識者や世間の評価は、2分される。全力で駆け抜けた人生だったろう、調査によれば、ベトナム戦争を止めさせるために、タイやラオスなどに行ったと言う説と、僧衣をまとって旅したことで、死に場所を求めた、という風説があるようだが、真意は定かではない。ただ、軍人であることを、最後まで捨てなかった、あるいは、捨てることができなかった、のだろうが、信念に生きるのが良いのか、時代に応じて世渡りをするのが良いのか、分からない。前に読んだ岸恵子自伝は、何回か人生の節目で過去を捨てて、まだ健在であるが、その比較では、自分は、時代に応じて、という方を選びたい。