昨日の午前中は、審査のための論文読みと、調べたいことがあって、海外のサイトにアクセスしていたら、その中に動画が入っていた。なるほど動画はわかりやすい、発達障害の子供が言う、教科書は難しくて逃げ出したくなる、その通りだ。英語という言葉の壁があるだけで、テキストだけでは途端に難しくなって、途中で眠くなるから、子供の気持ちが分かる。物事は、自分がその身になってみないと、分からないのだ。いくつかの動画サイトを見たが、研究発表のようなスタイルと、聴衆を巻き込むスタイルとがあるようで、思わず惹き込まれるのは、もちろん後者なのだが、それは、発表者が自分事として捉え、その通りだと実感していることを話すからではないか。この理論ではとか、これまでの知見では、などの絵空事では、実感がないので、伝わってこないのだ。動画サイトの中で、話の内容ではなく、その人の雰囲気、態度、非言語、その人の存在そのものが伝わる、という考えがあって、賛同した。プレゼンス研究として、自分も長く関わってきたからだが、問題は、どうプレゼンスを高めるのかである。確かに生得的に持っている人がいるだろう、役者で言えば、華がある人とでも言おうか、そして努力して身に付けた人もいるだろう、その差によって、確かに受ける印象や説得力が大きく違うのである。自民党総裁選挙で、政局が騒がしい、テレビで巷の声も聞こえるが、確かに、プレゼンスの高い候補とそうでない候補では、人気度が違う。ただ、少し待てよ、プレゼンスとは、表面的な態度や印象と言うよりも、その人が、どれだけ自分事として、実感として、捉えているか、もっと言えば、その人がどう人生を生きているのか、その生き方そのものが、伝わるのではないだろうか、そうでないと、人を惹き付けることはできないのではないか、と思った。