予定外のこと

昨日の午前中は、奨学金応募のための留学生の論文の審査をしていた。自分は、元々は理系と言ってよいが、研究分野は、そうとは言えない、文系でもないが、社会学系と言うか、学際的と言うか、教育工学の呼称で分かる通り、総合的な分野なのである。昔は、純粋な研究分野の人からは、何か捉えどころがない、一体何を研究しているのか、と疑いの眼差しで見られ、肩身の狭い思いをしたが、今は違う。現代社会を生き抜こうとすれば、教育も例外ではなく、教育学だけでは無理で、ICTの専門家だけでは不可能であることは、誰もが納得する、そんな時代になった。偉いのは、それを見越した先達で、多くの尊敬する先生方がおられて、この分野の花を咲かせていただいた。自分たちは、その先達の引いた道路を走っているだけで、今は、なんと有難いかと思う。振り返ってみれば、自分もいつの間にか、こんなにも長く教育工学で研究や仕事をしてきたようで、たぶん、昔の研究仲間では、あいつはまだやっているのか、と思っているかもしれない。メールを見ると、いろいろな情報が飛び込んでくる、アメリカの教育工学の研究団体から、何かのきっかけで情報を送ってくれるようになった。ふと、昨日見たら、面白い動画があった、思わず惹かれて見ていたが、メタ分析による面白い研究なのだが、国際会議に参加したような気分になった。コロナ禍で、海外に行けない、国際会議で研究動向を知ることができない、と思っていたら、行かなくても、手元に届けてくれる、凄いじゃないか、と思って、朝の時間が、この上なく貴重な時間になった。昨日のブログで書いた、手帳には入ってないが、価値あること、気が付いたこと、面白いことは、予定を変えることで、豊かな知的活動ができる。予定はあるが、いつでも変更できる、これは在宅だからでもあり、非常勤だからでもあり、大学を引退した身でもあるから、だとしたら、今の境遇も悪くはない。

投稿者: 赤堀侃司

赤堀侃司(あかほりかんじ)現在、(一社)ICT CONNECT 21会長、東京工業大学名誉教授、工学博士など。専門は、教育工学。

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