オンライン採点

昨日は3連休の初日、と言っても、在宅勤務の身にはピンとこない。夏休みで子供が家にいる家庭でも同じだろう。コロナ禍の中、感染者数の急増に伴い、帰省の自粛、県外への移動自粛、人が集まる場所は入場禁止の措置が講じられ、子供たちも親たちも、どうしていいか不安になる。子供は、思う存分に活動する時期なので、それを押し込め蓋をすることは、発達から考えて精神的にも情緒的にもおかしくなると、教師も親も感じている。が、この世の中には、どうにもならないことが多くある、こうしたほうがいいと、正論を言っても、どうにもならない、不条理の世界なのかもしれない。昨日の午前中は、オンライン採点をした。木曜日に採点をすることになっていたが、いろいろな仕事が重なり、どうしても時間が取れず、昨日、つまり土曜まで伸ばした。8月になって、免許更新講習のレポートを書く時間が取れたのか、先生方およそ100名からのオンライン提出があった。採点が遅れると、自動的に先生方への通知が遅れるので、主催者側とすると、出題者に週1回の採点を義務付けている。採点をすると、教員の顔に戻る、レポートに先生方の個性が読み取れるからで、小学校には優しさや子供思いの顔が、中学校には教科の特性や生徒指導を気遣っている表情が、高校には現代社会の課題や今後の教育についての思いを語る姿が、特別支援学校には児童生徒に寄り添う母親か父親のような慈愛の眼差しが、見える。そうか、先生方は、夏休みではなく、夏の研修期間なのだ、この時期に、いっぱい知識も技能も教育の在り方も吸収して、9月からの学期に備えているのだ。9月を迎える時、いつか校長先生が言われたように、先生方は不安になる。海や山やプールや公園やテーマパークで精一杯遊び、帰省して祖父母と触れ、線香花火でもよい、夏の夜を家族で過ごし、夏休みの終盤になると、宿題に追われ、真っ黒に日焼けした顔を見せてくれる子供たちを、迎えるのだが、それが、ゲームばかりやっていないか、自宅で親子喧嘩や兄弟と言い争っていないか、有り余るエネルギーを内に込めていないかなど、期待とは逆の不安が、頭をかすめるのだろう。世は、不条理であるが、現実を生きるしかないのだ。昨日は、なんとか、オンライン採点の宿題ができた。先生方には叱られないだろう。

投稿者: 赤堀侃司

赤堀侃司(あかほりかんじ)現在、(一社)ICT CONNECT 21会長、東京工業大学名誉教授、工学博士など。専門は、教育工学。

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