レジリエンス

昨日は、都内に出かけたが、東京駅前の丸の内なので、都心に来たという感じがする。今日も出かけるので2日連続だが、審査系の仕事なので内容は書かない。審査の合間にスクリーンに広告のような映像が映し出されて、ふと目に留まった。レジリエンスの言葉があったからである。この言葉は、ある雑誌から、2030年における教育、のテーマで原稿依頼があって、自分の原稿に引用した。つい最近のことなので、アッと思ったのだが、実は、この言葉自身は、ある学会のパネル討論の中で知って引用したもの、つまり借り物であるが、妙に気に入っているので、昨日のスクリーンに引き付けられたのだろう。レジリエンスとは、反発力、元に戻る力などと訳されるが、折れない心が気に入っている。コロナ禍の中で、分厚い雲に覆われたような気持や、見通しのないトンネルの中にいるような思いや、いつ大地震や大水害が起きるかもしれない、という不安を、誰もが感じている。コロナ禍では、Kの文字のように、斜め上向きの企業もあれば斜め下向きの企業もあると聞いているが、下向きの企業の人は、ストレスにさらされているが、どうしょうもない。そういえば、ハラスメントの言葉がよく使われるが、これもストレスの1種だから、ついに鉛筆がポキンと折れるように、心が折れてしまうのだろう、と考えれば、ほとんどの人は、折れる心を潜在的に持っている。とすれば、折れない心、釣り竿のように、しなやかに弾力性のある心を持つこと、それは教育においても、教員にも子供にも求められる心の持ち方である。毎日のように、小さな心配ごとや小さな問題が起きてくるが、しかし折れてはいけない、しなやかに釣り竿のように受け止めながら、やがて回復すれば良いのだ、その戻す力は、小さな喜びや小さな幸せであり、自分に自信を持つ、という気持ちだろう。レジリエンスは元来が物理学の用語であるが、モノの世界と人の世界も、共通する大切な考えがある。

投稿者: 赤堀侃司

赤堀侃司(あかほりかんじ)現在、(一社)ICT CONNECT 21会長、東京工業大学名誉教授、工学博士など。専門は、教育工学。

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