買い物と大学

昨日は3月の最後の日、会議は何もなかった。手帳には、午後は、買い物、ジョギング、整体院などと記されている、つまり私用である。こんな気軽な日があってよい。久しぶりに買い物に行った、といっても、自分は、庭のレンガ、下履きスリッパ、の類で、家内は、花や野菜の種を買ったが、園芸や生活用品の大型店が便利で、車で出かけるのが楽しみである。生活がアメリカ並みになったようで、30年前カリフォルニア大学に滞在した時、家内とヤオハンの店に行くのが、休日の楽しみだった。そこに行けば、日本の食材があって、少し高くても、日本の香りがあって、心が癒された。あんな生活をもう一度したい、と思うこともある。アメリカはどこに行くのも車で、1台しかないから、いつも家内と一緒だった。大学の自分の研究室にも、家内の机を用意してもらったが、学生、というか、大学院生も研究室に来るので、家内も仲良くなったし、教職員とも交流をした。夫婦で学生をしている大学院生がいて、生涯学習の意味を知った。奥さんは医学部、主人はコンピュータサイエンス学部だったが、こんな例は珍しくない。アメリカの大学の授業料は高い、だから就職して貯金をして、そのお金で再び大学に入るパターンも普通なので、授業も熱心で質問もするし、ゼミも凄い迫力で議論する。学生に依頼されて開講したゼミの英語についていけなくて、落ちこんだこともあったが、楽しかった。学生は、就職して、自分のやりたいことを見つける、というか、経験を積んで、始めて自分が見えてくる、だから、猛烈に勉強したくなるので、怠けるという言葉は、存在しないと言ってよい。生涯学習の時代なのだ。帰宅して、お風呂上りと夕食までの間、雑談したが、もし何も仕事の依頼がなくなったら、自分も大学に入学したいと言ったら、家内も賛成してくれた。実は、自分の知人も同じことを考えているが、多くの人の本音は、大学にもう一度行きたい、学びたい、勉強したい、と思っているのではないだろうか。授業料を支払う貯金さえあれば、たぶん人生の最後においても、自分を花咲かせることができる。

投稿者: 赤堀侃司

赤堀侃司(あかほりかんじ)現在、(一社)ICT CONNECT 21会長、東京工業大学名誉教授、工学博士など。専門は、教育工学。

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