現場の魅力

昨日は、オンライン会議、ではなく、オンライン研究会に参加した。自分が発表するのではなく、先生方の発表を視聴するのだが、参加して良かった。午前中はSSHの情報交換会で、今年はオンラインなので参加しやすい。ある高校のSSHの取り組みで、農作物に被害を与える鳥や動物への対応がテーマだったが、これが面白い。シカやサルなどが、かなりの被害を与えているという報道を最近よく耳にするが、その対策を高校生が話し合った。動物愛護も考えて出したアイデアが、案山子(かかし)であった。データを取ってみると、その効果は抜群で地元新聞にも報道された。なるほど、高校生らしい、思わず笑いたくなる。午後は、別のオンライン研究会で、高校の教科「情報」部会の授業報告に参加したが、これもアイデアに満ちている。著作権のため氏名を明記するが、埼玉県春日部高校の高野先生の授業で、パスワードの設定の学習である。パスワードは誰でも自分なりに工夫はしているが、覚えやすくて、しかも、すぐに見破られないようにするには、という矛盾する要求を満たさなければならない。それを見事に、情報の授業らしく、Googleのツールを使いながら展開していった。これも面白い。小学校から高校まで、いや、大学まで、工夫されている授業や研究は、人を魅了する。午前のSSHの研究会で、ある高校の校長先生が、校長になったら、授業ができなくなってつまらなくなった、しかしSSH校を受託してから、自分も出番ができて、高校生と一緒に課題研究ができるので嬉しくて、と語った。それは、若い人からエネルギーをもらうからでもあり、一緒に追求する喜びでもあり、現場の魅力と言っても良い。昔、NHKで偉くなった人が述懐していたが、管理職より現場に戻りたい、あの空気が好きなんだ、という言葉を思い出した。自分も同じだが、オンラインで現場に触れるだけでも、有難いではないか、と思う。

投稿者: 赤堀侃司

赤堀侃司(あかほりかんじ)現在、(一社)ICT CONNECT 21会長、東京工業大学名誉教授、工学博士など。専門は、教育工学。

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