昨日は、オンライン実験が始まり、自分の研究が終わって、正直ほっとする。オンライン実験では、やはり気を遣うが、オンラインセミナーでも講演でも、事前にチェックするのは、失敗するとやり直しができないからだが、それでもどこかでミスが生じる。小さなミスなら仕方がない、いいではないか、と最近思うようになった。夕方になって気が楽になったのだろうか、久しぶりに読みかけの小説を、お風呂上りで夕食前の時間に読んだ。推理小説なので、何かの事件が起きて、推理して解決するというストーリーは同じだが、そこに人間模様が反映される。その人間も、殺人などの犯罪が出てくるので、市井の人とは違って、人の邪悪な面が出てきて、その葛藤の中でもがく姿なので、現実ではない世界である。だから、今の自分には少し違和感がある。先に書いたように、少しぐらいのミスはいいではないか、人生とはそういうものだよ、というような幅が出てくるのが、年配者の特長だ。意外な結末とか、悲惨な人生を辿るような物語なので、今の自分の気持ちには、ずれが出てくる。若い頃とは違うのである。しかし、さすがにプロの小説家とはすごいもので、引き付けて離れられず、最後まで読んでしまった。それは、研ぎ澄まされた技としか言いようがないが、どこか末梢神経の満足のような印象で、研究とか知的な凄さとは別のようだ。だから、エンターテイメントなのだ。