昨日もオンラインでの研究会があったが、これが日常になって、対面にしたいからと言われても、すいませんがオンラインでお願いします、という返事になってしまう。慣れとはこのようなものなので、やがて、コロナ禍、マスク、自粛、3密、stay home、social distanceなどの言葉も、人々から忘れられるようになるだろう。それでいいのだ、年月と共に、世の中は動いていく。ただ、教育はある時期を逃すと、取り返しのつかないことがある。3か月の休校処置によって、子供たちの間に大きな格差が生じたのではないか、と懸念している。その格差とは、学力だけでなく、社会的精神的な面も含めてであるが、それは非認知能力と呼んでもよいが、その差が今後大きく影響を与えるのではないか、という危惧である。ノーベル経済学賞の受賞者であるHeckman教授による、就学前プロジェクト研究は、教育界に大きな影響を与え、非認知能力として広く世界中の教育界に行き渡った。この研究は、就学前、つまり小学校に入る以前の子供たちの教育であるが、それは、就学中、つまり小学校から高等学校の児童・生徒であっても、同じ影響を与えるのではないか、という私の危惧である。3か月間の家庭における学習の在り方が、その後の人生に大きな影響を与えるかもしれない、と思っている。このような非認知能力について、昨日9日の打ち合わせでも、7日の白井先生、元早稲田大学総長、とも話し合った。私も、近著、オンライン学習・授業のデザインと実践、の中でも述べた。今後の推移を見守りたい。