昨日のオンライン審査は、素晴らしかった。文科省が主催するSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の最終審査で、生徒たちが発表し、生徒たちが質問し、私たちが審査するのであるが、最も言いたいことは、その発表が極めて分かりやすいことである。サイエンスと言っても、物理、化学、生物、地学、数学、情報、工学などがあるので、審査委員も、すべてが専門ではないので、分野が違えば分からないことが普通である。それが、専門外の人にも明確に伝わるように話すので、聴いている方は、なるほど、と納得することが多い。比喩的には、テレビの池上彰さんの解説に似ている。池上さんも相当に勉強しておられるから、何が本質なのか、何が重要なのか、を解説されるので、人気があるのだ。同じような印象を持った。その研究の本質をよく知っているだ。高校生なので、同級生にも話すことも多いだろうし、専門以外の発表も聞くこともあるだろうし、先生から指導されたこともあるだろうが、本質を知っていることは、すごいことなのだ。それは、言葉がやさしい、などの表面的なことではなく、理解の深さと言ってもよいだろう。また、質問がすごい。質問する高校生も、何が本質か、何がポイントかをよく知っているので、そうか、そのような観点があったのか、と膝を叩くような質問なのである。オンラインということもあって、審査委員は質問できないルールだが、それが良い。審査委員は、確かにそれぞれの分野の専門家だとは思うが、このSSHの発表会にはふさわしくない。審査の目で質問するからで、高校生のように、純粋に分からないことを質問する視点ではないからである。外は猛暑で、エアコンの効いた書斎で、高校生のトップレベルの研究発表を聴けるのは、なんと贅沢なのだろう。ここにも、高校生の青春がある。青春をかけた発表には、感動がある。聴く人の胸に響いてくるものがいっぱいあって、オンラインでは届かない拍手を何度も送った。