人に会わないと仕事にならない職業では、コロナ禍の営業自粛の影響は大きく、深刻な事態になっているとメディアは報道しているが、現実に私の周囲でも感じられるようになった。テレビなどでは、タクシー業者、小売業者、観光業者など、多くの職種でコロナ禍以前の状態に戻らず、苦境が続いていると報道している。なんとなく生活が質素になり、外食などは控え、自宅で食事の習慣ができて、街に人は多く行き来しても財布の紐は固く閉じたままのようだ。経済はお金が回って成り立つので、経済の活性化はやはり必要だが、まだ我慢の年月が求められているかもしれない。思えば、私が子供の頃、家は貧しかった。今になって、貧しかった、と言えるが、当時は人前で言うのは恥ずかしかった。中学校の同窓会などで昔の話をすると、皆が同じような感慨を持っている。ということは、日本全体が貧しかったのだ。世論調査でも、今の日本人は中流階級と感じているので、生活は豊かになっているのであろう。しかし、昔のような不況になって、また生活を脅かすかもしれない。子供の頃はそれも知らず、我儘を言って親を困らせたこともあった。新聞に掲載された一句が身に染みる。「母の日のゆるしてほしきことばかり」(根本理子)