昨日2020年6月10日の総会で日本教育情報化振興会(JAPET&CEC)の会長を退任し、名誉会長になった。振り返ると、平凡だがアッと言う間で、まるで夢か幻想のような気がする。人の生き方とは、このようなことかもしれない。同じ日の読売新聞朝刊の編集手帳に、「あじさいはすべて残像ではないか」(山口優夢)の俳句が紹介してあった。バラの赤は芯まで届くような真紅であり、白は1点の曇りもない純白であり、すべて原色だが、アジサイは、青色も赤色もすべてが薄く白みがかっている。小雨に煙るアジサイは現実の花というよりも残像ではないかという感じ方は、その通りだと読む人の心に響いてくる。大学教員を卒業して、団体役員もまた卒業して、振り返ってみれば、それは遠くに見えるアジサイのような淡い色をしていて、あれは幻想のような残像のような夢のような、現実ではなかったような気がする。確かに過ぎ去ったことは、すべて残像である。それは、遠くから見る雨の中のアジサイの花かもしれない。